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陸上自衛隊幹部候補生学校95期B・U課程卒業式,ーあるお母さんの話を聞いて思う [名リーダーを思う]

以下は赴任する候補生の見送りを終わった後、とあるお母さんから伺った話である。

あるお母さんの話

防大に入学して間もなくの頃、自分から希望して入学したにもかかわらずやめたい、と悩み始めた。それがピークに達した頃、毎晩電話があり、延々と訴えが続きそれにつき合わされた。

止めなさいと言ってしまえば簡単だが自分で希望して大喜びで入ったのだから続けた方が良い、に決まっている。そのうち翻意してくれるのでは、と思いながらつきあった。

ところがある日、帰校時限の迫った中で外出先から憔悴しきって、電話してきた。僕に「,帰るな」か「死ね」のどちらかを言え、と迫った。一瞬真っ白になったお母さんは思わず「帰って死ね」と言ってしまった。息子さんは何も言わず電話を切った。それから連絡が全くなくなった。どうしているか心配で心配で、何という事を言ってしまったんだろうと後悔の思いと電話が有れば悪い知らせではないかと怯える日々を過ごした。

暫くして大丈夫だよ続けるよとの電話があり、何も言わずにそれを受け入れ見守った。、

電話を切った後息子さんは今日一日頑張ったら明日止めよう、また次の日になると今日一日頑張ったら明日止めよう、と思って過ごした、という。止めるというマイナスでもそれを希望にして頑張っているうち本当にプラスの目標が出来た、と後で告白してくれた。

親子で懸命に向き合った日があったから、涙涙の防大卒業式、そして晴れやかに幹候校を巣立つ息子を笑顔で見送る事が出来た、と語って頂いた。

納得する何か、拠り所を見つける心

頭の中で理解する防衛についての重要性や格好よさ等とその中に身を置き、実際に行動する意識のベクトルとの間にはずれやギャップ等がある。それは人によって大きく異なる。

それを実感した時、葛藤が起きる。防衛を志した初志を貫きたい思い。身を置いてみると前に進みたくない、進めない思い。一挙に出直したいと思い詰める気持ち。一生の仕事の選択として早すぎた、もう一度考え直したい思い。親の期待に沿い続けたい思い等が駆け巡る。    

その悩みはこの道に実際に身を沈めて、納得できる何かを自分で見つけ解決するしかない。激しく悩みながらもその心が必要だ。

その息子さんは真剣に悩んで自分のよりどころ、と信じるものを探し続け、見つけ、掴みとったに違いない。お母さんは真正面から向き合ってそれを見守った。

そして今、国に尽くす立派な幹部自衛官への道を歩み始めてくれた。

終わりに

自得した”納得する何か、拠り所を見つける心”は”静かに忍耐する大いなる精神”へと続く最初の一歩を既に踏み出しているんだよ!とその卒業候補生に伝えたい。


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陸上自衛隊幹部候補生学校95期B・U課程卒業式に思う [名リーダーを思う]

表記卒業式が平成27年1月24日該学校(久留米市前川原)で行なわれた。

始めに

当日は小春日和の穏やかな陽気。学校には終日、291名の卒業生の元気はつらつとした大声と感謝の言葉、学校長以下の職員の慈愛・ねぎらい・激励の言葉、多くの来賓の慶祝や父兄方の我が子息への賞賛・激励並びに学校職員へのお礼の言葉が飛び交っていた。

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その雰囲気の中で私はいつもと違う、ある事に思いを寄せ続けた。それは卒業式に於ける前田学校長の式辞についてであった。

例年の学校長の式辞とはちょっと違うなーと思いながら書きとめたメモを見て、その違いが何であるかを探った。走り書きの乱れたメモ、我ながら見づらい、で取り違えもあるかもしれないが・・・。そこに絞って感想を述べたい。

リーダー論

前田学校長はマックスウェーバーの金言分析をかりてリーダーが備えておかなければならない要件を卒業候補生に明示された。勿論”ならでは”のものである。内容は2つの視点からなる。1つ目は徳性に関わる「情熱」・「責任感」・「冷静さ」等を持つこと。2つ目はリーダーの意識に関わる他の人への影響力を持つ等への「自覚」や大きなり決定等の中枢にかかわる等の「生き生き感」を持つこと、である。

伝わって来た2つの心

1つ、大成を願う心

自衛隊の中だけ、でなく国家として存在感のある幹部自衛官を目指せとの大意がこもっているように思える。
本来、限りなく精強な部隊、強いリーダーが求められてきたし今後もそうであろう。それは余分な事を考えず愚直に与えられた役割を果たせ、ととらえられ、見えない枠の中での話であったように思う。自衛隊への期待がますます増し、高い能力が求められる、と考えられる今、見えない枠を取っ払い、それに応じる高い志や心構えと能力を持ち武についての優れた良智を弁えた高級幹部が必ず求められるとの先見性が言わしめたリーダー論であった、ように思える。

2つ、普遍性を求める心

マックスウェーバーの金言・分析を借りての物言いに、より普遍的なリーダー論を贈りたいとの強い思いが伝わる。自己の体験に基づく主観的なリーダー論では受け手も限られ、一生”道”として追い求めるにはパワー不足である。しかも自分の思いを正確に伝えたい、それには横文字が優れている、との思いも加えて。

終わりに

最初は新しい剛健大講堂での賑々しい卒業式の雰囲気の中でちょっと違和感的な思いであったが、その違いはよく考えてみると大きな、大きな思いから発せらた、と今は思われる。

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